生活習慣病

当クリニックでは、糖尿病高血圧を中心に、脂質異常症(高脂血症)痛風(高尿酸血症)肥満症などの生活習慣病(メタボ)治療・予防を専門としています。また、生活習慣病の多くは自覚症状が少なく気付いたときには進行しているケースも少なくありません。健康だと思われている方も、気になった際にはお気軽にご相談ください。

生活習慣病の予防・早期介入の重要性~沖縄県の現状から

現在病気の、とりわけ生活習慣病の予防は重視されるようになってきましたが、生活習慣の改善はいまだ困難な状況です。

 かつての長寿県、沖縄は生活習慣の急激な変化に伴い、日本で屈指の肥満・糖尿病県となりました。さらに、メタボリックシンドロームや生活習慣病の進展、心血管病の増加を招き、2000年には都道府県別の男性平均寿命が26位に低下する「沖縄クライシス」が起きました。

 2013年9月15日現在で100歳以上を迎える高齢者を調査した厚生労働省のデータでも、沖縄県は10万人当たりの100歳以上の割合が1963年の1位から8位へ下がっています。高齢者は天寿を全うし、若年・中年世代に生活習慣病、心血管病が増えて平均寿命を下げていると考えられ、生活習慣改善の難しさ、肥満や糖尿病は生活習慣と密接に関わっていることがわかります。

 糖尿病による新規透析導入率も、沖縄県は全国平均の約2倍となっていて、生活習慣を改善できないために、肥満、糖尿病、高血圧のコントロールが不十分になっている実態を表す結果となっています。

 沖縄は本土よりも欧米化が進みやすい傾向があるため、日本の20~30年後を示すといわれていますが、沖縄クライシス以後も、平均寿命の低下、糖尿病の透析導入率は高値であり、生活習慣の欧米化に由来するこれらの状況は、悪化し続けています。

 これらのことからも、生活習慣病の予防・治療は、非常に緊急度の高い問題であることがお分かり頂けるかと思います。

糖尿病

(1)糖尿病とは

食べ物に含まれるブドウ糖はエネルギーとして利用されますが、糖尿病とは膵臓からインスリンが出る量が不足しているか、あるいはインスリンの作用が弱い(インスリン感受性の低下/インスリン抵抗性)かでブドウ糖をうまく体内で利用することができず、血糖値が慢性的に高くなる状態を指します。そしてこの状態は、高血糖(糖代謝異常)のみならず、脂質代謝、タンパク代謝などにも異常を引き起こすため、糖尿病の治療は大切なのです。

このような状態が長く続くといろいろな合併症を発症することになり、早期の治療が必要です。糖尿病の合併症には、細小血管障害(末梢の細い血管の病気)と呼ばれる、糖尿病性網膜症・糖尿病性腎症・糖尿病性神経障害と、全身の大血管障害(動脈硬化症)が進展することによる、脳梗塞・心筋梗塞・下肢潰瘍(・歯周病)などがあります。

近年、慢性腎不全の原因で最も多い原疾患に糖尿病があげられるようになり、糖尿病と診断されている方、それが疑われる方は腎機能の悪化を防ぐ意味でも、糖尿病の増悪を防止していくことは重要なことです。

当クリニックでは、糖尿病の原因に応じて治療の選択肢を提案していきます。まず、肥満体型(メタボ含む)の場合は、栄養相談を行い効果的な治療が行えるような生活環境の改善も提案致します。

(2)糖尿病の成因

・1型糖尿病
・2型糖尿病
・特定の機序・疾患に伴うその他の糖尿病
・妊娠糖尿病

の4つに分類されています。

インスリンの作用不足(糖尿病)は大きく2つの病態に分かれ、主に1型糖尿病と2型糖尿病の違いと言われています。

1型糖尿病は、自己免疫疾患などにより、インスリンを合成・分泌する膵β細胞が破壊され、インスリンの「絶対的不足」に陥ることにより発症します。例外もありますが、急激な進行、自覚症状も比較的はっきりしていることが多いとされます。

それに対し、2型糖尿病は、遺伝的要因(家系的に糖尿病になりやすい)と環境要因(過食や運動不足、肥満、ストレスなど)が合わさったものと考えられており、インスリンがあっても効きにくい状態になっている(インスリン抵抗性の亢進)と考えられています。

(3)症状

持続する中等度以上の高血糖により特徴的な症状(口渇、多飲、多尿、体重減少など)を生じますが、それ以外の場合には自覚症状に乏しく、患者さんは病識のないことも多いとされています。
しかし、急激で高度なインスリン作用不足をきたすと、著しい血糖値の上昇に伴い、昏睡に陥ることもあり、注意が必要です。

(4)診断

【 診断の要点 】
 ・慢性高血糖(持続性高血糖)の存在
 ・糖尿病特有の症状がある
  (1)口渇、多飲、多尿
  (2)短期間での体重減少
 ・糖尿病網膜症の存在
 ・診断基準を満たす持続性高血圧が認められた場合、糖尿病特有の症状や糖尿病網膜症がなくても、糖尿病と診断する。

(4)治療

<1型糖尿病>:入院治療が原則。ただちにインスリン療法を開始します。

インスリンによる高血糖の是正、補液による脱水の改善、電解質異常の是正が必要。状態が安定したら、糖尿病自己管理のための教育を行い、自宅でも治療を継続させます。

<2型糖尿病>:食事療法と運動療法が基本です。

必要に応じて、経口糖尿病薬、インスリン、GLP-1受容体作動薬を用います。合併症の状況も合わせてチェックしていく。必要ならば、治療もおこないます。

体重の減量や生活習慣の改善、血糖コントロールの改善により、糖毒性が解除されると、薬剤の減量あるいは中止が可能になる場合もあります。

当クリニックでは、診察室での診察、検査、診断に加え、管理栄養士による、食事指導・栄養相談を行っています。

これにより、日ごろの生活習慣(食生活、運動習慣、飲酒量など)がわかり、どの部分を改善していくのが効果的なのか、客観的な評価を行い本人にも納得してもらい、実際に行動してもらうため、大きな成果につながっていると推測しております。

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高血圧症

高血圧は自覚症状がほとんどないのですが、放っておくと動脈硬化の進展のみならず心筋梗塞や脳卒中のような重篤な疾患を引き起こすことになります。
早いうちに治療を行い、適正値に血圧をコントロールをしていくことが大切です。
そのために適度な運動や減塩などの生活習慣の改善を行います。血圧の値が改善されない場合は、薬物治療となります。

当クリニックでは、患者様に合わせたアドバイスや治療を行いながら、患者様の安定した血圧コントロールのための治療を行っています。

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高脂血症(脂質異常症)

高脂血症(脂質異常症)とは、血液中の総コレステロール値、あるいは中性脂肪が高いものを言います。中性脂肪、悪玉コレステロールが増えることが動脈硬化を進め高血圧や慢性腎臓病の進行につながります。さらには、脳卒中や心筋梗塞の危険因子にもなります。

当クリニックでは、治療と共に食事の指導を行い体重のコントロールが有効と考えております。できる限り油物の食事を控えていくことなど簡単に取り組めることもあります。

メタボリック検診

内臓の周辺に脂肪が蓄積する内臓脂肪肥満は、いろいろな代謝異常が起こりやすくなります。
これがメタボリックシンドロームで、自覚症状はほとんどないため、気づいた時には手遅れとならないよう、健康診断を受けていただき、その後の生活習慣の改善をお手伝いさせていただきます。
本検診では血管の健康度合いを検査する「FMD検査」を追加で行う事も出来ます

検査目的 メタボリックシンドロームの診断
検査内容
  • 採血
  • 腹囲計測
  • 体脂肪&内臓脂肪測定
  • 血圧測定
  • カウンセリング
  • FMD検査(オプションで追加出来ます。追加検診料2,000円 税別)
所要時間 約 20分(FMD検査を追加された場合は、50分)
検診料 1,000円(税別)
検診の詳細はコチラ

痛風(高尿酸血症)

血中の尿酸値が高いことにより、関節炎を生じる病気を痛風と言います。尿酸が体内で増えすぎると結晶となり、関節に溜まってきます。これが痛風発作を引き起こします。尿酸はプリン体が代謝された時に産生されるため、プリン体を多く摂取すると高尿酸血症(痛風)を生じます。

当クリニックでは、痛風の原因となっている生活習慣をつきとめることから始めます。治療ガイドラインでは、「適度な量の飲酒」、「プリン体の摂取を控えめにする」、「十分な水分摂取」、「尿をアルカリ性に保つ」、「運動」、「ストレスの解消」がすすめられており、実際に患者さんの生活に可能な形で取り入れられる工夫をしていきます。

肥満症

肥満症とは、BMI25以上で肥満に原因があるか肥満に関連していて、減量を必要とする健康障害を伴うものを言います。
また、健康障害はなくても、検査によって内臓脂肪型肥満と診断されたものを言います。

主な原因は、運動不足と食べすぎが原因である事は、多くの方がご存知だと思います。
「仕事が忙しく、時間がないから運動はできないし、お付き合いの飲み会も多いので、仕方がない。」とよく患者様はお話されます。
ご自分の生活を振り返って、美しい健康体を求めて、少しの時間でも御身体を動かしたり、ゆっくり咀嚼してお食事を摂ったり、飲み会を減したり、少しの生活改善が肥満を解消していくと思われます。

当クリニックでは、栄養相談を実施します。今後、運動指導も行い、より効果的な肥満症改善の提案を行って行きます。

オーダーメイドの栄養相談・食事療法

当クリニックでは、経験豊富な管理栄養士による個別栄養指導を行っています。糖尿病、高血圧、脂質異常症、痛風(高尿酸血症)、腎不全等、様々な病態だけでなく、ひとりひとりのライフスタイルに合わせたオーダーメイドの食事療法をご提案します。

栄養相談・食事療法(指導)のご案内

栄養相談

月曜(午前・午後)、木曜(午後)、金曜(午前)、土曜(月2回程度)

※ 栄養相談をご希望の方は、予め予約をお取り頂き来院下さい。

こんな方は是非ご相談ください!

  • 生活習慣病が気になるけど何を気を付けたらよいかわからない…
  • 自分では気を付けているのに、なぜかコレステロール値が下がらない…
  • 食事にも気を付けてるし、運動だってしているのになぜ体重が減らないの?
  • 自分の食生活は間違ってないのかな?栄養とれてるのかな?
  • もっと健康で、美しく、長生きしたい!

オーダーメイドならではのメリット

栄養相談・食事療法とは

糖尿病・脂質異常症・痛風・高血圧などは、毎日の食事や生活習慣が原因となり発症することが多いです。
この治療に不可欠なのは食事・生活習慣の改善です。
当院の「栄養指導」は、管理栄養士が普段の食事内容やライフスタイルを確認し、一緒に改善点を考え、患者様が主体となって取り組める食事療法を提案しています。

栄養相談を受けられる方へ

  • 栄養相談の時間は1回あたり30分の完全予約制です。指定日から予約を行ってください。
  • ご自身で調理されない方は、調理される方と一緒に受けていただくことをお勧めします。