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院長コラム

女性の発熱。インフルエンザでなかったら?《内科、池尻大橋、三宿、世田谷区、目黒区、渋谷区》

 

こんにちは。院長の釜萢です。

 

23歳の女性。2日前から寒気と倦怠感、関節痛あり。
昨日出社したところ症状が悪化し、夜中に38.6℃の高熱をきたしたため、本日当院を受診。
会社でインフルエンザが流行っているので、自分も検査したいとのことでした。

 

症状からはインフルエンザでもおかしくない状況。
早速検査をしてみたところ、インフルエンザ陰性。

 

念のため尿検査を行なったところ、膀胱炎の所見。
高熱を出しており、腰痛なども確認できたことから、腎盂腎炎の可能性が考えられました。

 

そして、後からわかったことなのですが、この女性、2日前に温泉に行っていたそうです。

 

この時期の急激な高熱というと、どうしてもインフルエンザが頭に浮かびます。
それは決して間違いではないのですが、女性の場合はもう一つ、膀胱炎が悪化して腎盂腎炎になった場合にも、似たような症状を呈します。

 

インフルエンザには抗インフルエンザ薬がありますが、膀胱炎・腎盂腎炎にも効果的な抗生剤があります。
見逃さずに早期から適切な治療を行えば、内服治療のみで治る場合も少なくないのですが、重症化すると入院治療が必要になったり、場合によっては命に関わる病状になりうるので、注意が必要です。

 

また、腎盂腎炎になりやすい条件としては、水分摂取が少なく、トイレの回数が少ない、トイレを我慢する、おなかを冷やした、疲労の蓄積(免疫力の低下)、などがありますが、
それに加えて温泉の湯船につかった、などがあります。
これは不特定多数の方々と同じ湯船を共有することが原因です。

 

意外なことに、寒い冬と真逆の、夏にも毎年膀胱炎・腎盂腎炎は流行ります。
理由は、汗をかいて脱水になり、トイレの回数が減ることに加え、プールに行った後にうつった、という話を当院でも聞いています。
プールに行った後になるのは、温泉と同じ理由です。

 

この時期の高熱の原因として、インフルエンザ以外に忘れてはならない病気として、頭の片隅に置いて置くべきかもしれません。

 


<写真と本文の内容とは関係ありません>

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