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内分泌内科(甲状腺外来)

内分泌内科とは

内分泌内科とは主に、内分泌ホルモンの異常による症状や疾患を診療しております。内分泌ホルモンは、甲状腺や下垂体、副腎、卵巣、肝臓、精巣、心臓、腎臓、膵臓など様々な臓器から分泌されるホルモンです。ホルモン異常による疾患としては、バセドウ病や橋本病、原発性アルドステロン症、アジソン病、クッシング症候群、褐色細胞腫などが挙げられます。
内分泌内科のうち、特に甲状腺疾患は自覚症状があまり目立たない特徴があります。主に、倦怠感や疲労感、足のむくみ、イライラ、不眠、動悸などが起こります。よく見られる症状であるため、そのまま放置してしまうケースが多いのが現状です。上記の症状があり、甲状腺が気になる方は、一度当院までご相談ください。

甲状腺疾患について

甲状腺とは

甲状腺では、甲状腺ホルモンを生成しています。蝶ネクタイに似た形状をしていて、喉ぼとけ下部に存在します。
下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)によってホルモンが調整され、代謝の活性化や成長促進という作用があります。

甲状腺疾患

甲状腺中毒症

血液中に甲状腺ホルモンが過剰に分泌された状態です。甲状腺中毒症には、甲状腺ホルモン合成が高まる甲状腺機能亢進症と、甲状腺濾胞細胞の破壊によって血液中に漏れ出る破壊性甲状腺炎があります。
主な症状は、動悸や頻脈、暑がり、発汗、食欲があるのに痩せる、手の震え、イライラする、疲労感、息切れ、下痢などが起こります。

甲状腺機能亢進症

甲状腺で甲状腺ホルモンが過剰に分泌される状態です。甲状腺ホルモン値が高く、身体の様々な機能速度が上がります。心拍数の上昇、血圧の上昇のほか、過剰な発汗、不整脈、不安、イライラ、睡眠障害、体重減少などの症状が見られます。
原因となる疾患として、バセドウ病、機能性甲状腺結節、中毒性多結節性甲状腺腫、甲状腺炎、下垂体機能亢進による刺激、妊娠性一過性甲状腺機能亢進症などが挙げられます。その他、一部の薬剤によって起こることもあります。

バセドウ病

甲状腺刺激ホルモンが甲状腺を持続的に刺激することで、過剰に甲状腺ホルモンが分泌される状態です。

機能性甲状腺結節・腺腫様甲状腺腫

甲状腺に結節ができることで、甲状腺刺激ホルモン(TSH)による刺激がなくても甲状腺ホルモンを過剰に分泌します。

TSH産生下垂体腫瘍

甲状腺刺激ホルモンを生成する下垂体に腫瘍ができます。この腫瘍によって、TSHと甲状腺ホルモンが過剰に分泌されます。

妊娠性-過性甲状腺機能亢進症

妊娠初期に一時的に起こる甲状腺機能亢進症です。胎盤から分泌される成分に甲状腺刺激作用があるため、甲状腺ホルモン分泌が一時的に過剰になります。

甲状腺の破壊によるもの

破壊性甲状腺炎

甲状腺が急激に炎症を起こすことで濾胞が破壊され、血液中に甲状腺ホルモンが漏れ出ている状態です。原因疾患としては、亜急性甲状腺炎、無痛性甲状腺炎、橋本病の急激な増悪、急性化膿性甲状腺炎などが挙げられます。ほとんどのケースでは数か月程度で自然快癒します。

その他

甲状腺ホルモンの過剰摂取

甲状腺ホルモンの代謝亢進薬の一部には、甲状腺の炎症を起こすものがあります。特に、直接輸入などで海外の薬品を摂取した場合に健康被害を訴えるケースが多くあります。このため、薬剤の摂取には注意が必要です。

甲状腺機能低下症

甲状腺ホルモンが不足する原発性甲状腺機能低下症と、下垂体や視床下部に異常が起こり、甲状腺ホルモン分泌量が低下する中枢性甲状腺機能低下症があります。甲状腺ホルモン分泌が低下すると、疲労感やむくみ、無気力、体重増加、便秘、皮膚の乾燥、月経異常、脱毛などの症状が現れます。

①原発性甲状腺機能低下症
  • 橋本病(慢性甲状腺炎)

橋本病は自己免疫疾患のひとつです。血液検査では、自己抗体である抗TPO抗体や抗サイログロブリン抗体などが陽性になります。主な症状は、喉の前面の腫れや違和感、徐脈、心肥大、うつ症状などが起こります。

②中枢性甲状腺機能低下症

脳外科手術後などで下垂体や視床下部に障害が残ることで、甲状腺刺激ホルモン分泌に異常を起こし、甲状腺ホルモン分泌が低下した状態です。その他、自己免疫性下垂体炎など下垂体の病気による場合もあります。

③その他

昆布や海苔、わかめなどヨードを過剰摂取することで、甲状腺ホルモン分泌が低下することがあります。その他、ヨード強化卵や要素入りうがい液なども影響があります。また、甲状腺の手術治療や放射線治療などを行った場合も、甲状腺機能低下症となることがあります。

甲状腺腫瘍

甲状腺ホルモンの分泌異常を起こしている方には、腫瘍や嚢胞が見つかることがあります。甲状腺の破壊や変性を繰り返すことで甲状腺には結節ができます。この結節が1cm以上の場合は細胞診を行いがん細胞の有無を確認します。

当院の内分泌内科
(甲状腺外来)について

対象

以下のような症状がある場合は、
当院の内分泌内科にご相談ください。

  • 喉の前方が腫れている、違和感がある、
    しこりがある
  • 疲れやすい、イライラする、手が震える、
    動悸やむくみがある
  • 眼が突出してきた感じがする
  • 血縁者に甲状腺疾患を持つ方がいる
  • 健康診断や血液検査で甲状腺ホルモン異常を指摘された

など

甲状腺の検査

甲状腺ホルモンなどの血液検査を行っております。
甲状腺の臨床検査には、血液検査と超音波検査があります。

甲状腺ホルモン検査
(甲状腺機能検査)

まずは問診で症状についてお伺いします。その後、血液検査を実施します。甲状腺ホルモン濃度や甲状腺自己抗体などを測ります。甲状腺ホルモン値の異常が見つかった場合は、甲状腺機能低下症や甲状腺機能亢進症の可能性があります。

甲状腺超音波検査

甲状腺超音波検査を行い、甲状腺の大きさや腫瘍の有無を確認します。甲状腺超音波検査が必要な方は、当院から徒歩数分の検査専門医療機関をご紹介しています。

甲状腺の治療

当院では、問診、甲状腺の触診、血液検査を行い、甲状腺疾患が確定した場合は、必要に応じて薬物治療を開始します。
さらに詳しい検査が必要と判断した場合には、近隣の検査専門医療機関などをご紹介することもあります。

甲状腺機能亢進症の治療

主に薬物療法を行います。ほとんどのケースが薬物療法で安定しますが、薬物療法を行っても改善が見られない場合は放射性ヨード治療や手術治療を検討します。再発も起こりやすいため、血液検査や超音波検査などで経過観察が必要です。また、骨粗しょう症になりやすいので検査などフォローアップが必要です。

甲状腺機能低下症の治療

甲状腺ホルモンの補充療法を行います。甲状腺ホルモン値を測定しながら治療を行います。ただし、橋本病は合併症を起こすことがあるため合併症の検査も行いながら治療を進めます。

甲状腺腫瘍の治療

当院では、甲状腺腫瘍の治療は行っていないため、近くの甲状腺専門の医療機関(伊藤病院など)をご紹介しております。

副腎・下垂体疾患の
検査・治療

副腎・下垂体疾患の治療については、入院加療が必要のため、連携する医療機関をご紹介しております。副腎・下垂体疾患が気になる方は、一度ご相談にお越しください。血液検査などは実施可能です。検査結果に応じて、連携する病院の内分泌内科をご紹介させていただきます。まずは、お気軽にご来院ください。